尾中俊介 第一詩集 『CUL-DE-SAC』

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尾中俊介第一詩集 「CUL-DE-SAC」。

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CUL-DE-SAC カルデサック
尾中俊介

発行日:2009年4月1日
仕様:B6変型・筒函・糸縢り・本文128頁・オフセット印刷・焼印・スタンプ
部数:300部
発行所:みぞめ書堂
定価2100円+税

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書評
あえて恐るべき長篇詩集と呼んでおきたい。尾中俊介の『CUL-DE-SAC』のことだ。語りは妻がベランダに干している、雑多な洗濯物のこ とから始まっている。そして、最後までこうした日常的な光景から離れていないにもかかわらず、ここには何か、いまの壊れている世界のあらゆることが詰まっ ている、という錯覚に襲われる。それは鳩殺しのエピソード一つを取り上げても、鳩の視線と向き合う行為者の内と外の微細な叙述に、残酷な世界の一切が流れ 込んでいるからだろう。具象と抽象の撚り合わさった見事な散文の文体。そこで物語の仮装は、内側から食い破られ、詩の文体に転換している。
北川透・詩人(ユリイカ2010年4月号「第15回中原中也賞 選評」)


最 終的に残ることはなかったが、わたしは尾中俊介の『CUL-DE-SAC』の描く不思議な世界に最も魅せられたことを記しておきたい。「CUL-DE- SAC」というのは袋小路、行き止まりのこと。長篇詩のスタイルを取り、詩集にノンブルはない。装幀も本文の文字表記も凝っていて、大文字の頁と小文字の 頁を組み合わせ、語ることの始まりに向けて語る。なんでもない「君」という作者の分身に向けて語る。小さな箱の中に極小の部屋や庭を作り、箱の上下左右か ら光を照射し、接眼レンズを通して箱の中を覗き込むと、同じ景色が朝の風景に、また夜の風景に変化する、「スコープ」オブジェのような世界だ。長篇を一気 に読ませる。力のある作者だと思う。この作者の仕事は必ず開花するだろう。
佐々木幹郎・詩人(ユリイカ2010年4月号「第15回中原中也賞 選評」)


(前 略)頁表示も章題もなく、散文詩というよりも前衛的な小説の断片集とも取れる。かつてフランスに発したアンチ・ロマン(反小説)という、従来の文学への異 議申し立てを思わせる。そこには意識や事物の細かな描写があっても一貫性はない。/ 迷宮小説の影響も見える意欲的な「反詩集」の表題は、仏語で袋小路の 意。若い著者がこの先どう抜けるか注目する。
樋口伸子・詩人(読売新聞2009年8月11日夕刊「時評−詩」)





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尾中俊介 Shunsuke Onaka
1975年山口県宇部市生。詩人。「Calamari Inc.」デザイナー。福岡市在住。2003年までフリーペーパーや「Wasteland」(荒地出版社)誌上にて詩篇を発表。2004年福岡市博多区に 「art space tetra」を共同設立。写真展シリーズ「ACCORDING TO WHAT」を企画。2009年に第一詩集「CUL-DE-SAC」(みぞめ書堂)を上梓。個展に『LANDSCAPE INTO LOVE』(2010, IAF SHOP,福岡)、グループ展に『Metallic Syndrome by Work Camp Project』(2007, art space tetra,福岡)、『parapera show』(2009, AISHO MIURA ARTS,東京)がある。






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